確定申告で個人事業主が赤字の場合｜確定申告をすべき理由を徹底解説

確定申告で個人事業主が赤字が出た場合「確定申告は、どうなるんだろう？しなくてもいいの？したほうがいいの？どっちなの？」こんな悩みを抱えている人も安心してください。確定申告が得意なベテラン税理士が、確定申告で個人事業主が赤字の場合でも確定申告をすべき理由を親切丁寧に解説いたします。

確定申告で個人事業主が赤字の場合の取り扱い

最初は、確定申告で個人事業主が赤字の場合の取り扱いについてです。

原則として、所得が４８万円以下の人や、本業以外の所得が２０万円以下の会社員などは、確定申告をする必要はありません。

個人事業主が赤字の場合には確定申告は必要か

次は、個人事業主が赤字の場合には確定申告が必要かについてです。

個人事業主が赤字の場合には、確定申告をする必要はありません。

個人事業主が赤字の場合でも確定申告をすべき理由

次は、個人事業主が赤字の場合でも確定申告をすべき理由についてです。

個人事業主が赤字の場合でも確定申告をすべき理由は、5つあります。

一つ目が本業以外にも他に所得がある場合
二つ目が本業以外に他に所得がない場合
三つ目が本業以外に給与所得などがある場合
四つ目が社会保険に未加入の場合
五つ目が将来借入金などを利用しようと思っている場合

本業以外にも他に所得がある場合

次は、本業以外にも他に所得がある場合についてです。

本業以外にも他に所得がある場合には、損益通算を適用できる場合があるので、確定申告をすべきです。

損益通算

次は、損益通算についてです。

損益通算とは、所得金額の計算上生じた損失の金額がある場合に、他の所得金額と損益の通算ができる制度のことです。

損益通算を適用するメリット

次は、損益通算を適用するメリットについてです。

赤字の場合でも申告をすることにより損益通算が適用できる場合があるので、納付税額を減額できる可能性があります。

損益通算について知りたい方は、私の別のブログで詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
損益通算のやり方

本業以外に他に所得がない場合

次は、本業以外に他に所得がない場合についてです。

本業以外に他の所得がない場合でも、確定申告をすることにより、損失の繰越控除の適用が受けられる場合があるので、確定申告をすべきです。

純損失の繰越控除

次は、純損失の繰越控除についてです。

損益通算をしても、引ききれない損失の金額（純損失の金額）がある場合には、青色申告書を提出している年に限り3年間繰越控除の適用が受けられます。
これを純損失の繰越控除といいます。

純損失の繰越控除を適用するメリット

次は、純損失の繰越控除を適用するメリットについてです。

赤字でも申告をすることにより、純損失の繰越控除が適用できる場合があるので、納付税額を減額できる可能性があります。

本業以外に給与所得などがある場合

次は、本業以外に給与所得などがある場合についてです。

本業以外に給与所得などがある場合には、確定申告をすることにより、源泉税の還付金を受け取ることができます。

源泉税の還付金

次は、源泉税の還付金についてです。

源泉税とは、特定の所得に対して所得の支払いを受ける際に、支払いをする者が所定の方法により徴収する所得税のことをいいます。
いわゆる所得税の前払いみたいなものです。

源泉税の還付金を適用するメリット

次は、源泉税の還付金を適用するメリットについてです。

本業が赤字の場合でも申告をすることにより、給与から源泉徴収されている所得税の還付を受けられる可能性があります。

社会保険に未加入の場合

次は、社会保険未加入の場合についてです。

社会保険未加入の場合には、国民皆保険制度により、市町村における国民健康保険の加入が義務付けされています。

国民健康保険料の計算

次は、国民健康保険料の計算についてです。

市町村における国民健康保険の保険料は、前年の所得金額により保険料が計算されます。

国民健康保険料の軽減のメリット

次は、国民健康保険料の軽減のメリットについてです。

赤字でも申告をすることにより、国民健康保険料の軽減を受けられる可能性があります。

将来借入金などを利用しようと思っている場合

次は、将来借入金などを利用しようと思っている場合についてです。

将来住宅ローンなどの借入金などを利用しようと思っている場合には、所得証明書が必要になります。

所得証明書

次は、所得証明書についてです。

所得証明書とは、市町村などが発行する所得などを記載した書類のことになります。
住宅の購入時に住宅ローンなどを契約する際には、必ず所得証明書が必要になります。

所得証明書の取得のメリット

次は、所得証明書の取得のメリットについてです。

赤字でも申告をすることにより、住宅ローンなどの契約の際に所得証明書の取得ができるようになります。

まとめ

それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。

「確定申告で個人事業主が赤字の場合」で悩んでいる人のために
「確定申告をすべき理由」についての解説

1. 確定申告で個人事業主が赤字の場合の取り扱い
   • 個人事業主が赤字の場合には確定申告が必要か：確定申告をする必要はない
   • 個人事業主が赤字の場合でも確定申告をすべき理由：損益通算などを受けられる
2. 本業以外にも他に所得がある場合
   • 損益通算：他の所得と損益の通算ができる制度
   • 損益通算のメリット：納付税額が減額できる
3. 本業以外に他に所得がない場合
   • 純損失の繰越控除：一定の要件に該当すれば損失を３年間繰り越せる
   • 純損失の繰越控除のメリット：納付税額が減額できる
4. 本業以外に給与所得などがある場合
   • 源泉税の還付金：源泉所得税の戻り分
   • 源泉税の還付金のメリット：税金の還付を受けられる
5. 社会保険に未加入の場合
   • 国民健康保険料の計算：前年の所得金額により計算
   • 国民健康保険料の軽減のメリット：国民健康保険料の軽減が受けられる
6. 将来借入金などを利用しようと思っている場合
   • 所得証明書：市町村が発行する所得などを記載した書類
   • 所得証明書の取得のメリット：所得証明書を取得できる

この記事を書いた想い
今回、「確定申告で個人事業主が赤字でも確定申告をすべき理由を徹底解説」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生から、「確定申告で個人事業主が赤字が出た場合、確定申告は、どうなるんだろう？しなくてもいいの？したほうがいいの？どっちなの？」という質問をよく受けるので、それならば確定申告で個人事業主が赤字の場合について詳しく書いてみようと思ったからです。

そのためには、確定申告をすべき理由を詳しく解説したほうが分かりやすいと思ったので、確定申告をすべき理由について詳しく書いてみました。
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「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生に確定申告で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。

歯科医院を開業する院長先生の確定申告のお悩みを解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。

最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。