確定申告の事業所得と雑所得の違いとは「何が違うんだろう?違いがよくわからない?」こんな疑問を抱えている方々のために、確定申告が得意なベテラン税理士が確定申告の事業所得と雑所得の5つの違いについて徹底解説いたします。
目次は、読みたいところをタップして飛べます。
事業所得と雑所得の違い
最初は事業所得と雑所得の違いについてです。
事業所得と雑所得には、大きく5つの違いがあります。
その5つの違いを表にしましたので、次の表をご覧ください。
事業所得 | 雑所得 | |
1:所得区分 | 事業から生ずる所得 | その他の所得に該当しない所得 |
2:所得金額 | マイナス金額でも計算する | マイナス金額はなかったものとする |
3:青色申告 | 青色申告の適用あり | 青色申告の適用なし |
4:損益通算 | 損益通算の適用あり | 損益通算の適用なし |
5:繰越控除 | 繰越控除の適用あり | 繰越控除の適用なし |
次は、表の内容について詳しく解説していきます。
所得区分
次は、所得区分についてです。
確定申告では、所得の区分により10種類の所得に区分して計算します。
利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、山林所得、給与所得、退職所得、譲渡所得、一時所得及び雑所得の10種類の所得区分があります。
事業所得は、事業から生ずる所得になります。
雑所得は、雑所得以外のどの所得区分にも該当しない所得になります。
所得金額
次は、所得金額についてです。
所得税の所得金額の計算では、マイナス金額まで計算する場合とマイナス金額は、なかったものとして計算する場合があります。
事業所得の金額は、マイナスの金額でもマイナスのまま計算されます。
例えば、収入金額100、必要経費150の場合には、(100-150=-50)になります。
雑所得は、マイナスの金額は、なかったものとして計算されます。
例えば、収入金額50、必要経費100の場合には、(50-100=-50➡0)になります。
-50は、なかったものとみなされるので、0として計算されます。
青色申告
次は、青色申告についてです。
青色申告とは、一定の条件を満たした場合に、
税務署長に青色申告承認届出書を提出することにより、
確定申告書を青色の申告書により申告することができる制度のことです。
青色申告の承認を受けることにより、青色申告特別控除などの特典が受けられるようになります。
青色申告の特典について知りたい方は、私の別のブログで詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
ブログはこちら 青色申告の特典
事業所得については、一定の期限までに青色承認申請書を提出することにより青色申告の適用が認められています。
雑所得については、青色申告の適用自体が認められていません。
損益通算
次は、損益通算についてです。
損益通算とは、所得金額の計算上生じた損失の金額がある場合に、一定のものについては 一定の順序により他の所得と通算できる制度のことです。
損益通算の順序などについて知りたい方は、私の別のブログで詳しく解説していますので、こちらをご覧ください。
ブログはこちら 損益通算のやり方
事業所得については、一定の要件を満たしていれば、損益通算の適用が認められています。
例えば事業所得が100で不動産所得が△50の場合は、(100-50=50)損益通算後は、合計所得金額が50になります。
雑所得については、マイナスの金額は、ないものとされるので、損益通算の適用は認められていません。
純損失の繰越控除
次は、純損失の繰越控除についてです。
損益通算をしても、引ききれない損失の金額(純損失の金額)がある場合には、青色申告 書を提出している年に限り3年間繰越控除の適用が受けられます。これを純損失の繰越控除といいます。
事業所得については、一定の要件を満たしていれば、純損失の繰越控除の適用が認められます。
例えば、事業所得が△150で不動産所得が50の場合は、(-150+50=△100)
損益通算でも 引き切れていない△100については、一定の要件を満たせば、3年間の繰越控除ができます。
雑所得については、損益通算の適用が認められないので、純損失の繰越控除の適用も認められていません。
まとめ
それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。
「確定申告の事業所得と雑所得の違い」で悩んでいる人のために
「事業所得と雑所得の5つの違い」についての解説
- 事業所得と雑所得の違い:大きく5つの違いがある
- 所得区分:>事業所得は、事業から生ずる所得で雑所得は、他の所得に該当しない所得
- 所得金額:事業所得は、マイナスまで計算し、雑所得は、なかったものとする
- 青色申告:事業所得は、適用されるが、雑所得は適用されない
- 損益通算:事業所得は、適用されるが、雑所得は適用されない
- 純損失の繰越控除:事業所得は、適用されるが、雑所得は適用されない
この記事を書いた想い
今回、「確定申告の事業所得と雑所得の違いとは?|5つの違いを徹底解説」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生から、「確定申告の事業所得と雑所得の違いが分からない?」という質問をよく受けるので、それならば確定申告の事業所得と雑所得の違いについて詳しく書いてみようと思ったからです。
そのためには、事業所得と雑所得の違いを5つに分けて解説したほうが分かりやすいと思ったので、事業所得と雑所得の5つの違いについて詳しく書いてみました。
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「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生に確定申告で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。
歯科医院を開業する院長先生の確定申告のお悩みを解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
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