確定申告で「赤字の場合の申告は、しなくていいって、本当なの?」こんな疑問を感じている人のために、確定申告が得意なベテラン税理士が、赤字の場合の申告義務や申告した場合のメリットなどを解説します。
目次は、読みたいところをタップして飛べます。
赤字の場合の申告義務の概要
最初は、赤字の場合の申告義務の概要についてです。
結論を先にお話すると、赤字の場合には、確定申告の義務はありません。
なぜ申告義務がないのかをお話するには、確定申告についてお話する必要があります。
確定申告をする必要がある人
次は、確定申告をする必要がある人についてです。
その年分の所得金額が所得控除額を超える場合で、その税額が、税額控除額を超える場合には、確定申告をする必要があります。
赤字の場合には、所得金額がないので、確定申告をする必要がないことになります。
赤字の場合の申告義務について理解したところで、次は、申告義務がない場合でも
確定申告をするメリットについてお話していきます。
確定申告をするメリット
次は、確定申告をするメリットについてです。
赤字の場合でも確定申告をするメリットは、いくつかありますが、その中でも重要な2つについてお話していきます。
損益通算(複数所得の場合)
次は、損益通算についてです。
損益通算とは、各種所得金額の計算上生じた損失のうち一定のものについてのみ、一定の順序にしたがって、他の各種所得の金額から控除することです。
ただし、損益通算を使用できるのは、各種所得の金額が複数ある場合に限ります。
例えば、会社員などが、副業で不動産投資をして不動産所得が赤字の場合に、
申告義務はないけども、申告すれば、損益通算で給与所得の金額が減るので、
税金が還付になる場合があります。
損益通算について詳しく知りたい方は、私の他のブログをご覧ください。
ブログは、こちら損益通算の解説
損失の繰越控除(t単独所得の場合)
次は、損失の繰越控除についてです。
損失の繰越控除とは、一定の要件に該当するものが、損失申告をした場合には、その損失金額を3年間繰越控除ができる制度のことです。
所得金額が一つだけの人は、一定の要件に該当すれば、赤字でも確定申告をすることにより、繰越控除を受けることができます。
例えば、不動産所得が赤字の場合に、他に所得がなければ、
損益通算はできないので、一定の要件に該当すれば、
その損失の金額を3年間繰越すことができます。
純損失の繰越控除の適用を受けられる人は、青色申告者に限ります。
住民税の申告義務の概要
次は、住民税の申告義務の概要についてです。
所得税の確定申告の義務がなくても、住民税の申告義務が発生する場合もあります。
通常は、所得税の確定申告をすれば、住民税の申告は必要ありませんが、申告をしていな い場合には、住民税の申告が必要になる場合があります。
住民税の申告が必要な人
次は、住民税の申告が必要な人についてです。
住民税の申告が必要な人は、下記に該当する人です。
①不動産などの所得がある人
②給与所得者で、勤務先から市区町村へ支払い報告書の提出がされていない人
③給与所得者で年末調整をしていない人
④原稿料などの支払いを受けた人など
住民税の申告をしなくてよい人
次は、住民税の申告をしなくてよい人についてです。
住民税の申告をしなくてよい人は、下記に該当する人です。
①勤務先で年末調整をした人で、他に所得のない人
②税務署へ所得税の確定申告書を提出した人
③前年の所得が非課税対象の所得のみの人
④生計を一にしている親族から扶養されていて、前年中に収入がない人など
まとめ
それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。
「確定申告で赤字の申告」について悩んでいる人のために
「赤字の場合の申告義務や申告した場合のメリット」についての解説
- 赤字の場合の申告義務の概要:赤字の場合には、申告義務はない。
- 確定申告をする必要がある人:所得金額が所得控除額を超える場合で、税額が税額控除額 を超える場合
- 確定申告をするメリット
- 損益通算:複数所得がある場合には、申告することにより損益通算ができる。
- 損失の繰越控除:単独所得の場合には、一定の要件に該当すれば、損失を3年間繰越することができる。
- 住民税の申告義務の概要:住民税の申告義務が発生する場合がある。
- 住民税の申告が必要な人:所得税の確定申告をしていない人など
- 住民税の申告をしなくてよい人:所得税の確定申告をしている人など
この記事を書いた想い
今回、「確定申告で赤字の申告の概要|赤字の場合は申告義務ないって本当なの」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生から、「赤字の場合の申告は、しなくていいって、本当なの?」という質問をよく受けるので、それならば、確定申告で赤字の申告について詳しく書いてみようと思ったからです。
そのためには、赤字の場合の申告義務や申告した場合のメリットを解説したほうが分かりやすいと思ったので、赤字の場合の申告義務や申告した場合のメリットについて詳しく書いてみました。
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「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生に確定申告で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。
歯科医院を開業する院長先生の確定申告のお悩みを解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
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