確定申告で事業所得が赤字の場合でも「確定申告はしなければいけないの?」こんなお悩みをかかえている人のために、確定申告が得意な税理士が、確定申告で事業所得が赤字の場合の取り扱いなどを分かりやすく解説していきます。
目次は、読みたいところをタップして飛べます。
事業所得が赤字の場合の取り扱い
最初は、事業所得が赤字の場合の取り扱いについてです。
確定申告において事業所得が赤字の場合には、他に所得がなければ確定申告の必要はありません。
ただし、確定申告をすることによるメリットもあるので、確定申告をするほうがいい場合もあります。
事業所得以外に所得がない場合
次は、事業所得以外に所得がない場合についてです。
事業所得の赤字を損失申告として確定申告することにより、一定の要件に該当すれば、純損失の繰越控除を適用することができます。
事業所得以外に所得がある場合
次は、事業所得以外に所得がある場合についてです。
確定申告をすることにより、一定の要件に該当すれば、損益通算の適用を受けることができます。
純損失の繰越控除の概要
次は、純損失の繰越控除の概要についてです。
純損失の繰越控除とは、所得の金額の計算上生じた損失の金額がある場合で、一定の要件に該当する場合には、その損失の金額を3年間繰り越せる制度のことをいいます。
純損失の繰越控除のやり方
次は、純損失繰越控除のやり方についてです。
事業所得などの損失の金額がある場合には、
損益通算をしてもなお控除しきれない部分の金額が生じたときは、
その損失の金額を翌年以後の3年間にわたって繰越して、
各年分の所得金額から控除します。
(注)令和5年4月1日以降に特定非常災害に指定された災害により生じた純損失の金額につき、一定の場合には、繰越控除の期間が3年間から5年間へと延長されます。
純損失の繰越控除は、確定申告書の第四表により計算することになります。
確定申告書の提出時には、第四表を添付する必要があります。
純損失の繰越控除の適用要件
次は、純損失の繰越控除の適用要件についてです。
純損失の繰越控除の適用を受けるには、次の要件を満たさなければなりません。
不動産所得、事業所得、山林所得又は譲渡所得から生じた損失の金額であること。
損失の金額が生じた年の確定申告書を青色により申告していること。
繰り越し控除の適用を受ける年分の確定申告書を青色により、それぞれの提出期限までに提出していること。
損益通算の概要
次は、損益通算の概要についてです。
損益通算とは、所得金額の計算上生じた赤字の金額がある場合には、一定の要件に該当すれば、他の所得金額と損益の通算を行う制度のことです。
損益通算のやり方
次は、損益通算のやり方についてです。
損益通算は、確定申告書の第四表により計算することになります。
確定申告書の提出時には、第四表を添付する必要があります。
損益通算の順序
次は、損益通算の順序についてです。
損益通算は、一定の順序により第一次通算から第三次通算まで順次行うことになります。
損益通算の対象となる所得
次は、損益通算の対象となる所得についてです。
損益通算の対象となる所得は、不動産所得、事業所得、山林所得及び譲渡所得に限ります。
損益通算について詳しく知りたい方は、私の別のブログで詳細に解説していますので、こちらをご覧ください。
損益通算の解説
まとめ
それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。
「「確定申告で事業所得が赤字の場合」で悩んでいる人のために
「赤字の場合の取り扱い」についての解説
- 事業所得が赤字の場合の取り扱い:申告は必要ないが、申告することによりメリットがある。
- 事業所得以外に所得がない場合:要件に該当すれば、純損失の繰越控除が適用できる。
- 事業所得以外に所得がある場合:要件に該当すれば、損益通算が適用できる。
- 純損失の繰越控除の概要:要件に該当すれば、損失を3年間繰り越せる。
- 純損失の繰越控除のやり方:第四表により計算する。第四表の添付が必要
- 純損失の繰越控除の適用要件:一定の所得の金額であること、青色申告をすることなど。
- 損益通算の概要:要件に該当すれば、損益通算の適用を受けられる。
- 損益通算のやり方:第四表により計算する。第四表の添付が必要
- 損益通算の順序:1時通算から3通算まで順次行う。
- 損益通算の対象となる所得:不動産所得、事業所得、山林所得及び譲渡所得
この記事を書いた想い
今回、「確定申告で事業所得が赤字の場合|確定申告しなければいけないのか?」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生から、「確定申告で事業所得が赤字の場合でも確定申告はしなければいけないの?」という質問をよく受けるので、それならば確定申告で事業所得が赤字の場合について詳しく書いてみようと思ったからです。
そのためには、確定申告で事業所得が赤字の場合の取り扱いなどを説明したほうが分かりやすいと思ったので、確定申告で事業所得が赤字の場合の取り扱いなどについて詳しく書いてみました。
質問を24時間受け付けております。(無料で質問する!)
「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生に確定申告で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。
歯科医院を開業する院長先生の確定申告のお悩みを解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
コメント