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法人の設立時の決算月は|決算月の効率的な決め方についての解説

法人の設立時に決算月をいつにするかで悩んでいる人のために、法人設立に詳しい税理士が法人の設立時の決算月を決める効率的な5つのポイントについて解説します。

決算月の概要

最初は、決算月の概要についてです。
決算月とは、法人の一定期間の損益や財務数値などの集計を行うために定められた期間(事業年度)の最終の月のことを言います。
事業年度は、法律で1年以内と決められているので、通常は、1年単位で決められています。
法人の決算月は、何月でも任意に決めることができますが、一定のルールがあります。

決算月の法的な決め方

次は、決算月の法的な決め方についてです。
決算月は、法人設立時に任意に決めることができますが、決算月は、法人の定款で定めなければなりません。
一度決めた決算月を変更する場合にも定款での変更をしなければなりません。

決算月を決める効率的な5つのポイント

次は、決算月を決める効率的な5つのポイントについてです。
決算月を決めるときの効率的なポイントを5つに分けてお話していきます。

消費税の免税点で決める

最初は消費税の免税点で決めることについてです。
法人の消費税は、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合に課税事業者になり消費税が課税されます。
しかし、新規で法人を設立した場合には、基準期間の課税売上高がないので、資本金1,000万円未満の法人で一定の法人以外は、設立後2年間は、消費税が課税されない免税事業者になります。
消費税の免税期間を考慮するなら、設立初年度をなるべく長い期間にするほうが有利になるので、設立月の前月を決算月にすれば、ほぼ2年間は、消費税が免除される可能性が高くなります。

業務の効率化で決める

次は、業務の効率化で決めることについてです。
業務の効率化を考えると在庫が一番少ない月を決算月にすることにより、棚卸にかける時間と労力を極力最小にすることができます。
法人の決算申告は、決算月の2か月後の末日になります。
決算月が4月であれば、申告月は、6月の末になります。
決算月には、棚卸の作業をしなければなりませんが在庫を少なく抱えていると棚卸にかける時間と労力が少なくて済みます。

時間に余裕のある時期で決める

次は、時間に余裕のある時期で決めることについてです。
法人の決算申告期限は、決算月の翌々月の末日までです。
決算月を決めると決算月と申告期限までの2か月間は、スケジュールがタイトになってくるので、比較的時間に余裕をもてる時期に決算月を決めるようにしたほうが申告までの作業をスムーズにこなせるようになります。

減価償却費の金額で決める

次は、減価償却費の金額で決めることについてです。
設立初年度の節税の観点から考えると、できるだけ減価償却費を多く計上できたほうが有利になります。
減価償却費の計上額を多くするには、設立初年度の期間をなるべく長く取ったほうが節税の効果がでできます。

課税売上高の予測で決める

次は、課税売上高の予測で決めることについてです。
決算月を決めるときに売上高の予測をして売上高が最高額になりそうな月の前月に決算月を決めれば、消費税の免税点である1,000万円未満の基準をクリアできるかもしれません。また、翌期の期首に売上高が増えることにより翌期の納税予想と節税対策までの期間を多く取れるので、節税対策が立てやすくなる利点が出てきます。

決算月の変更

次は、決算月の変更についてです。
法人の設立時に決算月を決めた後に、決算月を変更することも可能です。
決算月の変更方法についてお話ししていきます。

定款の変更

最初は、定款の変更についてです。
一度決めた決算月を変更するには、定款の変更をしなければなりません。
設立時の決算月も定款により決めますが、決算月を変更する場合にも定款により変更することになります。

税務署への届出書

次は、税務署への届出書についてです。
定款変更により決算月を変更した場合には、税務署に法人の異動届出書を提出しなければなりません。
届出書だけでなく、変更する前の決算月で一度法人の決算申告もしなければなりません。
例えば、決算月を4月から8月に変更した場合には、4月の決算月で一度法人の決算申告をして、翌期は、8月が決算月になります。

まとめ

それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。
「法人の設立時の決算月の決め方」で悩んでいる人のために
「法人の設立時の決算月を決める効率的な5つのポイント」について

  1. 決算月の概要:決算月は、任意に決めることができる。
    • 決算月の法的な決め方:決算月は、定款により決めなければならない。
  2. 決算月を決める効率的な5つのポイント
    • 消費税の免税点で決める:設立月の前月を決算月にする
    • 業務の効率化で決める:在庫が一番少ない月を決算月にする。
    • 時間に余裕のある時期で決める:時間に余裕のある時期を決算月にする。
    • 減価償却費の金額で決める:設立月の前月を決算月にする。
    • 課税売上高の予測で決める:売上高が高額になりそうな月の前月を決算月にする。
  3. 決算月の変更:決算月は、変更することができる。
    • 定款の変更:決算月の変更は、定款を変更しなければならない。
    • 税務署への届出書:決算月を変更したら、税務署に異動届出書を提出する。

この記事を書いた想い
今回、「法人の設立時の決算月は|決算月の効率的な決め方についての解説」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生から、「法人の設立時の決算月はいつにすればいいの?」という質問をよく受けるので、それならば、法人の設立時の決算月について詳しく書いてみようと思ったからです。
そのためには、法人の設立時の決算月を決める効率的な5つのポイントを解説したほうが分かりやすいと思ったので、法人の設立時の決算月を決める効率的な5つのポイントについて詳しく書いてみました。
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「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生に法人の設立で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。
歯科医院を開業する院長先生の法人設立のお悩みを解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。

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