給料の税金の計算って難しいですよね。給料計算をしていて「しまった!税金の計算を間違えた、どうしよう?」こんなことありませんか?でも安心してください。歯科開業支援と確定申告を得意とする税理士として30年以上クライアント様の給料計算に携わってきた私がその疑問にお答えできます。お答えを先に言うと、給料計算で税金計算を間違えても年末調整で清算すれば、問題ありません。なぜ問題ないのかについては、順を追って解説していきます。
年末調整での清算のお話をする前に税金計算の仕組みからお話しするほうが分かりやすいので、まずは、税金計算の仕組みからお話していきます。
目次は、読みたいところをタップして飛べます。
税金計算の仕組み
最初は、税金計算の仕組みについてです。
毎月の給料計算をするときの税金の計算については、源泉徴収税額表(月額表)を使って概算で税金を計算することになります。
源泉徴収税額表(月額表)
次は、源泉徴収税額表(月額表)についてです。
毎月の給料の税金を計算するときには、源泉徴収税額表を使います。
源泉徴収税額表は、月額表(月払の給料)と日額表(日払の給料)があります。
給料が月払いの時には、月額表を使い、給料が日払いの時には、日額表を使うことになります。どちらも概算の税金計算になります。
ほとんどの会社では、お給料の支払いは、月払いだと思うので、月額表についてお話していきます。
税率区分
次は、税率区分についてです。
源泉徴収税額表の月額表を使って税金計算をするときは、税率の区分が甲欄と乙欄の2つに分かれます。
甲欄の税率区分
最初は、甲欄の税率区分についてです。
甲欄は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している者の給料の税金計算の時に使用するものです。 乙欄の税率区分に比べて税金が少なくなります。
乙欄の税率区分
次は、乙欄の税率区分についてです。
乙欄は、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない者の給料の税金計算の時に使用するものです。甲欄の税率区分に比べると税金が多くなります。
ここまでで、税金計算の仕組みについては、分かったところで、次は、税金計算を間違えてしまった時の対処法についてお話していきます。
間違えた時の対処法
次は、間違えた時の対処法についてです。
毎月の給料の計算をするときに税金計算を間違えてしまったときには、2つの対処法があります。
どちらで対処してもらっても問題ありませんが、実務では、ほとんどが、年末調整で清算する方法をとっています。
翌月の給料計算での清算方法
最初は、翌月の給料計算での清算方法についてです。
翌月の給料計算での清算方法とは、翌月の給料計算の時に間違えた分の税金を清算する方法になります。
年末調整での清算方法
次は、年末調整での清算方法についてです。
年末調整での清算方法とは、税金の計算の間違えを発見しても給料計算では、清算せずに年末調整時に清算する方法になります。実務では、ほとんどの会社で、この方法を採用しています。
簡単に年末調整の清算方法についてご説明していきます。
年間の給料及び賞与に対する年税額の計算
最初は、年間の給料及び賞与に対する年税額の計算についてです。
年間の給料の金額と賞与の金額の合計額に対して税率をかけて年間の実額の税金を計算します。
源泉徴収税額と年税額の差額調整
次は、源泉徴収税額と年税額の差額調整についてです。
年間の税金計算が終わったら、毎月の給料計算時に徴収した概算計算の源泉所得税と実額の年税額を比較して差額の税金を調整していきます。
この方法は、源泉徴収税額表(月額表)の甲欄の税率区分で計算した者だけが年末調整での清算ができます。
源泉徴収税額表(月額表)の乙欄の税率区分で計算した者は、年末調整での清算ができないので、確定申告での清算になります。
なぜ実務では、年末調整での清算方法を採用しているのか?
最後に、なぜ実務では、年末調整での清算方法を採用しているのかについてご説明していきます。
あくまでも毎月の税金計算は、概算での税金計算になります。
なので、税金計算を間違えたとしても、実額の年税額を計算する年末調整での計算が正しければ、なんの問題もないからです。
税金計算を間違えるたびに翌月分で修正するよりも、年間1回の修正ですむ年末調整での清算のほうが手間がかからず、計算も簡単にできるからです。
まとめ
それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。
給料の税金計算を間違えた場合でも年末調整で清算すれば問題はありません。
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- 税金計算の仕組
- 源泉徴収税額表(月額表)→月払いの給料計算で使用する税額表です。
- 税金計算の仕組
甲欄の税率区分→
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している者の給料の税金計算の時の税率区分です。
乙欄の税率区分→
「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出していない者の給料の税金計算の時の税率区分です。
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- 源泉徴収税額表(日額表)→日払いの給料計算で使用する税額表です。
- 税金計算を間違えた時の対処法
- 翌月分の給料計算での清算方法→翌月の給料計算の時に間違えた分の税金を清算する方法です。
- 年末調整での清算方法→年末調整時に清算する方法です。
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実務では、ほとんど年末調整での清算方法を採用しています。
翌月分の給料計算での清算方法に比べて、手間がかからず、計算も簡単にすむからです。
この記事を書いた想い
今回、「給料の税金の計算を間違えた!|大変だ!どうすればいいんだろう?」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生やスタッフさんから、「給料の税金計算を間違えた!どうすればいいんだろう?」という質問をよく受けるので、それならば、税金計算を間違えた時の対処法について書いてみようと思ったからです。
そのためには、税金計算の仕組みから説明したほうが分かりやすいと思ったので、税金計算の仕組みについても書いてみました。
「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生やスタッフさんに給料計算の税金計算で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。
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歯科医院を開業する院長先生とスタッフさんの給料の税金計算の疑問を解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
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