法人を設立するメリットって「どんなメリットがあるんだろう?」こんな疑問を持っている人のために法人の設立に詳しい税理士が、法人を設立するメリットと一番効果的な法人の設立時期について解説いたします。
目次は、読みたいところをタップして飛べます。
法人を設立する7つのメリット
最初は、法人を設立する7つのメリットについてです。
個人事業から法人を設立するメリットとしては、いくつかありますが、その中でも特に重要なメリットを7つにまとめてお話します。
節税の効果
最初は、節税の効果についてです。
個人事業から法人を設立すると、節税の効果がいくつかあります。
給与所得控除額
最初は、給与所得控除額についてです。
個人事業の場合には、所得に対して税率が適用されて税金が計算されますが、法人を設立して役員報酬を支払うと給与所得控除額の適用を受けるので、節税の効果があります。
所得の分散
次は、所得の分散についてです。
法人を設立して配偶者又は家族を役員又は従業員として役員報酬又は給与を支払えば、所得の分散になるので、節税の効果があります。
所得税から法人税への移行
次は、所得税から法人への移行についてです。
所得税における税率は、超過累進税率(最高税率が45%)ですが、法人税は、段階税率になるので、おおよその税率が15%〜25%位になるので、節税の効果があります。
社会保険の加入
次は、社会保険の加入についてです。
個人事業者の場合には、従業員の人数により社会保険が任意加入になりますが、法人を設立すると社会保険が強制加入になるので、加入手続きが、任意加入の時よりも簡素化できて加入のハードルが低くなります。
決算期の自由な決定
次は、決算期の自由な決定についてです。
個人事業の場合には、確定申告時期は毎年3月と決められていますが、法人を設立すると決算期を自由 に決定できるので、会社の都合に合わせて時間の取りやすい月にすることができます。
求人募集の条件の緩和
次は、求人募集の条件の緩和についてです。
法人を設立すると社会保険が強制加入になるので、求人募集をするときに社会保険未加入の場合に比べて求人募集が有利になります。
社会的な信用度
次は、社会的な信用度についてです。
法人を設立すると対外的な事業取引や各種手続きなどで、個人事業者に比べると社会的な信用度が増してきます。
純損失の繰越控除
次は、純損失の繰越控除についてです。
個人事業の場合には、純損失の繰越控除は3年ですが、法人を設立すると純損失の繰越控除は、個人の時の3倍以上である10年になります。
生命保険料の損金算入
次は、生命保険料の損金算入についてです。
個人事業者の場合に生命保険に加入していても保険料は、一定の保険料以外は、必要経費に算入することができません。
しかし、法人を設立して一定の要件に該当する生命保険に加入すれば、支払った保険料の金額を会社の損金の金額に算入することができます。
法人を設立するときの効果的な設立時期
次は、法人を設立するときの効果的な設立時期についてです。
個人事業から法人の設立を考える場合に、「どの時期に設立をすればいいのか?」の一番効果的な設立の時期についてお話していきます。
消費税の課税事業者
最初は、消費税の課税事業者についてです。
個人事業者の場合には、基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合には、課税事業者になります。
法人の場合にも個人の場合と同様に基準期間の課税売上高が1,000万円を超える場合に消費税の課税事業者になります。
基準期間とは、個人の場合にはその年の前々年をいい、法人の場合には当期の前々期を言います。
個人事業者から、課税売上高が1,000万円を超える年の翌年末までに新本金1,000万円未満の法人を設立すれば、法人設立後は2年間消費税の課税事業者には、該当しないことになるので、効果的な設立になります。
結論は、課税売上高が1000万円を超えた年の翌年末までに法人を設立すると効果的な設立になります。
所得金額が900万円を超える見込みの場合
次は、所得金額が900万円を超える見込みの場合についてです。
所得税は、超過累進税率なので、所得金額が900万円を超えると税率が33%になります。
法人税の場合には、段階税率なので、800万円以下の場合には15%、800万円を超える場合でも23.2%なので、個人事業者の場合に、所得金額が900万円を超える見込みの場合には、その前年までに法人を設立すると効果的な設立になります。
結論は、その年の所得金額が900万円を超える見込み(予測)の場合には、その年の前年までに法人を設立すると効果的な設立になります。
まとめ
それでは、ここまでの内容を振り返ってみます。
「法人を設立するメリット」で悩んでいる人のために
「法人を設立するメリットと効果的な設立時期」について
- 法人を設立する7つのメリット
- 節税の効果:法人を設立すると節税の効果があります。
- 社会保険の加入:法人を設立すると社会保険の加入手続きが簡素化できます。
- 決算期の自由な決定:法人を設立すると決算期を自由に決定することができます。
- 求人募集の条件の緩和:法人を設立すると求人募集が有利になります。
- 社会的な信用度:法人を設立すると社会的な信用度が増してきます。
- 純損失の繰越:法人を設立すると純損失の繰越が10年になります。
- 生命保険料の損金算入:法人を設立すると一定要件に該当する生命保険料が損金に算入されます。
- 法人を設立するときの効果的な設立時期
- 消費税の課税事業者:課税売上が1,000万円を超えた年の翌年末までに設立すると効果的になり
ます。 - 所得金額900万円を超える見込みの場合:その年の所得金額が900万円を超える見込みの場合に
は、その年の前年までに設立すると効果的になります。
- 消費税の課税事業者:課税売上が1,000万円を超えた年の翌年末までに設立すると効果的になり
この記事を書いた想い
今回、「法人を設立するメリットは|法人を設立するメリットと効果的な設立時期の解説」をテーマに記事を書いたのは、歯科医院の院長先生から、「法人を設立するメリットってどんなメリットがあるんだろう?」という質問をよく受けるので、それならば、法人を設立するメリットについて詳しく書いてみようと思ったからです。
そのためには、法人を設立するメリットと効果的な設立時期を解説したほうが分かりやすいと思ったので、法人を設立するメリットと効果的な設立時期について詳しく書いてみました。
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「歯科医院を開業する多くの先生方に本当に成功してほしい、そして歯科医院の廃業を減らしたい」そんな想いから歯科医院の院長先生に法人の設立で悩んでほしくないという気持ちからこの記事を書きました。
歯科医院を開業する院長先生の法人設立のお悩みを解決することにより歯科医院経営で成功することを心から願っております。
最後まで記事をお読みいただきありがとうございました。
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